

採用活動において、候補者の人となりを深く理解し、企業文化とのマッチングを見極めることは、採用成功の鍵となります。しかし、従来の採用フローでは、ES(エントリーシート)や面接だけでは見えにくい候補者の個性や潜在能力を見落としてしまうことも少なくありません。
そんな中、BaseMeを活用することで、日鉄興和不動産は、まさにBaseMeだからこそ実現できた採用マッチングに成功しました。今回は、日鉄興和不動産で26卒内定を獲得したKさんと、採用担当の渡邉さんに、BaseMe経由で出会い、マッチング・内定に至るまでのストーリーを伺いました。
第一印象から「この人と会ってみたい」と思えた
ーー Kさんと日鉄興和不動産さんの出会いのきっかけと第一印象について教えていただけますでしょうか。
渡邉さん:
BaseMeに書かれていたKさんのプロフィールは、文字数自体は多くありませんでしたが、自治体のお手伝いをされた長期インターンのエピソードが印象的でした。ご自身のできる範囲で何かできないかと試行錯誤されているストーリーが目に浮かび、それが当社の仕事にも近いと感じてスカウトさせていただきました。
Kさん:
オファーをいただいた当時、正直に言うと日鉄興和不動産の名前は存じ上げませんでした。ただ、オファーの内容から、私のBaseMeのプロフィールをしっかり読み込んでくださっていることが伝わってきて、とても温かい会社だという印象を持ちました。実際に座談会に参加してみると、自分の考え方と共通する部分があるなと感じたんです。特に、リビオライフデザイン総研の「マンションの暮らしについて、一歩立ち止まって根本から考えよう」という考えに共感し、そんな組織があるこの会社に興味を持ちました。
※ リビオライフデザイン総研 = 生活者視点で見つめ・研究し、新しい価値を生み出していくことを目的とした社内シンクタンク組織。現在は「フューチャースタイル総研」として住宅事業本部の傘下組織から全社組織として機能強化している。
渡邉さん:
最初はカジュアル面談よりも座談会形式で、複数の学生に参加してもらう形をとりました。ハードルを下げるためにZoomの顔出しも任意にしていたのですが、Kさんは顔出しをしてくださったので、それが良い印象として残っていますね。
ーー その後の選考フローはどのような形だったのでしょうか?
渡邉さん:
その後、夏のインターンシップの選考に進んでいただき、さらに冬のインターンシップを経て、本選考エントリー、面接へと進んでいただきました。特に冬のインターンシップでは、就業体験やグループワークを通じて学生同士の交流も多く、そのまま選考に進んでいただく形でしたね。結果として、Kさんには春先に内定をさせていただき、無事承諾いただけたので、最初の出会いから約1年かけての内定となりました。Kさんにとっては、初めてESを書いた会社であり、最後に選んだ会社でもあったと伺っています。

就職活動がうまくいかない時期に届いた希望
ーー Kさんの就職活動の軸やどのような変遷があったのかを教えてください。
Kさん:
BaseMeに登録したきっかけは、大学のサークルで協賛活動をしていたことです。本格的に就職活動を始めたのは、大学3年の3月ごろでした。夏のインターンシップではデベロッパー業界を第一志望としており、いくつかの企業を受けました。ただ、選考は想像以上に大変で、特に短時間でのグループディスカッションが苦手だった私にとっては、かなり厳しいものでした。
日鉄興和不動産の選考には、短時間のグループディスカッションがなかったため、安心して進むことができました。一方で、他の企業では、どうしても突破できない状況があり、正直、デベロッパー就職活動を諦めかけていました。そんな時に届いたのが、日鉄興和不動産の冬インターンシップのご案内でした。
夏のインターンシップが楽しかった記憶もあり、「もう一度行ってみようかな」という軽い気持ちで参加したのですが、その時間がとても楽しく、「やはりこの人たちと働きたい」という思いが芽生えました。本選考ではデベロッパー業界では日鉄興和不動産にしかエントリーせず、内定をいただいた時点で「ここで働こう」とすぐに決めました。
ーー 夏はデベロッパーに絞って受けていたのですか?
Kさん:
第一志望はデベロッパーでしたが、他の業界も幅広く見ていました。デベロッパー業界は採用人数が少ないこともあり、先輩から「他も見ておいた方がいい」とアドバイスをもらっていたことも理由です。自分の目でいろんな業界を見て可能性を模索したいという思いもありました。
惹かれたのは仕事観以上に「人の在り方」
ーー デベロッパーを諦めようと思ったのは、どのような背景があったのでしょうか?
Kさん:
事業自体には魅力を感じていたのですが、本選考が近づくにつれ、焦りや不安が強くなっていきました。周囲と比べて競争に負けていると感じるようになり、精神的にきつくなってきたんです。そこで一度、デベロッパー業界から距離を取り、ITやメーカーなど、ものづくりができる他業界にも目を向けました。
ただ、冬のインターンシップで日鉄興和不動産の社員の方々と関わる中で、「この人たちと働きたい」という気持ちが自然と強くなりました。他社でも企画推進などはできると思っていましたが、ここにいる方々の仕事に対する熱量や、人との接し方を見ていると、心から人や仕事が好きという思いが伝わってきたんです。
渡邉さん:
冬のインターンシップは「人と向き合うまちづくり」をテーマに設計しており、いろんな年次の社員と接点を持てるよう工夫していました。業務の多様性や当社の価値観を、できる限り伝えられるように心がけました。
Kさん:
日鉄興和不動産の社員の方々は本当に個性豊かですが、共通しているのは「仕事に対する熱い思い」です。どの年代の方も価値観の軸がしっかりしていて、他社とも比較しましたが、仕事への向き合い方に違いを感じました。自分にとって、ここが一番好きだなと思えました。
ーー それはまさに、就職活動において良いとか悪いとかではなく「感覚が合うかどうか」ということですね。
Kさん:
おっしゃる通りだと思います。デベロッパーに対して就職活動生が初めに抱く印象は、まちづくりだったり、奉仕・社会貢献の側面が多いと思うのですが、中を見ていくと、実際はビジネスとして結果を出す必要もあることがよくわかりました。だからこそ、会社ごとにどこに重きを置いているのか、スタンスの違いが出ると思います。
私が惹かれたのは、自分のつくりたい世界を実現するために、どうお金を創出し、どう人を巻き込むかに本気で向き合っている方々の姿勢です。その貪欲さにとても共感しました。
ーー 他のデベロッパーと比べたとき、御社ならではの特徴はありますか?
渡邉さん:
当社のメンバーは、自分の正義ややりたいことを会社の中でどう折り合いをつけるか、という問いに真摯に向き合っている人が多いです。「このプロセスでいい」と多様な進め方を許容する社風があり、それぞれの考え方が尊重されるのも特徴です。
また、「就職活動後も人生の一部として、いちばん楽しいものを見つける時間にしてほしい」というメッセージを社員が自然と伝えているのも、私たちらしさかもしれません。

意思決定の背景にある直感と信頼
ーー 最終的に意思決定されたポイントはどのような点でしたか?
渡邉さん:
Kさんにはぜひ当社に来てほしいと思っていました。採用で人を見るためには様々なシチュエーションが必要です。冬のインターンシップでKさんのキャラクターと、当社への共感や好きになっている気持ちを感じていましたので、このまま選考を進めてほしいと感じていました。面接では志望動機の深掘りよりも、当社の価値観に気持ちよく折り合いをつけていけるか、その人の価値観に触れる瞬間を重視して確認していました。
Kさん:
内定のご連絡をいただいた時は正直びっくりしました。最終面接では、自分の話が面接官に刺さったか、自信がありませんでした。 それでも内定を承諾するという決断ができたのは、冬のインターンシップで「ここで働きたい」と思った感覚を信じたいと思ったのと、あとはこの会社にご縁を感じていたからです。BaseMe経由で座談会に参加したのち、去年の六月ごろにインターンに申し込んだのですが、実はその時に書いたESが人生で初めて書いたESなんです。今当時のESを振り返ると、自分でもびっくりするくらいのクオリティなのですが(笑)、就職活動のうまさではなく、私の素質やポテンシャルなど、内側にあるものを評価してくれたこの会社で働いてみたいと思いました。
ーー ここで改めて、BaseMeだからこそ生まれたマッチングだと思う点についてお聞かせください。
渡邉さん:
デベロッパー業界は「就職活動が上手い人」が受ける業界というイメージがあるのですが、そのスキルが必ずしも仕事に直結するわけではありません。多様な価値観を持つメンバーが揃っていた方が、組織としての強みになり、共感も生まれると思っています。そういった意味で、BaseMeは、デベロッパー業界への就職活動を諦めてしまう学生にもリーチできるのが良い点だと感じています。
BaseMeが実現する「人対人」の採用
渡邉さん:
そして何よりも、ESに書かれていない個性がBaseMeのプロフィールでわかるというのは、私たち採用担当にとって非常に大きな判断材料になります。座談会に進む前にBaseMeのプロフィールを見ることで、顔と名前が一致した状態で臨めますし、なんとなく「こういう子なんだな」と感じてから会えるのは、とてもスムーズです。
もちろん全員をフラットにみて採用するため、特別扱いはしませんが、学生の人となりを事前に把握できることで、より質の高いコミュニケーションが取れるようになるのは間違いありません。
Kさん:
私の経験からすると、就職活動を始めたばかりの頃は、顔も分からない人に審査されることにストレスを感じることもありました。
その一方BaseMeは、最初の出会いの段階でプロフィールを見て「こんなところが良いと思った」と伝えてくれた上で、説明会や座談会に参加するという流れだったので、ES突破後の面接の段階ではなく、出会いの場面で私のことを知ってもらえたことが大きいです。
BaseMe経由で人と人のつながりをはじめに持てたからこそ、安心して、自分らしさを出しながら話すことができました。

就職活動は「競争」ではなく「重なり」を探す時間に
ーー 最後に、この記事をご覧の学生の皆さん、そして採用担当者の皆さんへ、メッセージをお願いします。
Kさん:
就職活動を始めたばかりの頃は、周りよりも優れていたいという気持ちが強くて、正直とても苦しかったです。でも終わって振り返ってみると、自分の価値観に素直になることの方が、ずっと大切だったと感じています。
私自身、人と人として誠実に向き合ってくれる出会いがあったからこそ、苦しい時期でも「ここだけは受けたい」と思えました。だからこそ、自分が大切にしたい価値観や、これからどんな姿でいたいのかをイメージしておくことが、就職活動を前向きな時間にする鍵になると思います。
渡邉さん:
今の学生は、就職活動に多くの時間とエネルギーを費やしていて、本当にもったいないと感じることがあります。大学生活の大切な時間を、就職活動のためだけに使う必要はありません。企業が見たいのは、いわゆる「就職活動が上手な人」ではなく、「どんなことに心を動かされ、本気で取り組んできたのか」という、その人自身の物語です。
私は、就職活動は「あなたが実現したい未来(自己実現)」と「企業が目指す方向(ミッション)」が、どこで重なるかを探すための対話の場だと考えています。だからこそ、誰かの真似をしたような志望動機を「作る」必要は全くありません。あなた自身の言葉で、これまでの経験で何を感じ、何を大切にしてきたのかを語ってほしいと思います。
それは、アルバイトやサークル活動での経験はもちろん、趣味に没頭した話や、日常で感じた小さな喜びや葛藤でも構いません。そうした経験の中にこそ、あなたの本質が表れ、私たち企業との思わぬ共通点が見つかるはずです。
「自分の想いを、この会社でなら実現できるかもしれない」
そうした視点で対話をしてくれると、お互いにとって建設的なコミュニケーションになりますし、きっとより深い理解や納得に繋がっていくと思います。
その先にこそ、心から納得できる、未来に繋がる出会いがあると信じています。
まとめ
日鉄興和不動産とKさんの出会いは、まさにBaseMeが目指す「人と人との出会い」による採用マッチングの事例でした。
従来のESや面接だけでは捉えきれない候補者の個性やポテンシャルも、BaseMeのプロフィールを通じて事前に知ることができたからこそ、企業はより本質的でパーソナルなアプローチを行うことができました。候補者にとっても、「就職活動のうまさ」ではなく「自分らしさ」を見てくれる企業と出会える安心感が、前向きな意思決定につながっています。
BaseMeが提供するのは、情報やスキルだけでは測れない人としての魅力に光を当てる、新しい採用のかたちです。
企業と候補者が、互いの価値観やありたい姿を重ね合わせながら、自然体でつながる、そんな出会いをつくっていけることが、BaseMeの大きな強みです。
改めて、インタビューへのご協力、誠にありがとうございました!