「やりたいことがわからない」「自己分析が進まない」——多くの就活生が抱えるこの悩み、実はAIを使えば短時間で解決できることをご存知でしょうか?年間200人の学生と面談してきた私が、実際に開催した「価値観発見・就活特化型AI活用セミナー」の内容を基に、就活成功の秘訣を余すことなくお伝えします。
私がキャリアコンサルタントになった理由——失敗体験から学んだ価値観の重要性
改めまして、キャリアコンサルタントの中村なぎさです。本日はこの記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。
実は私自身、現在はキャリアコンサルタントとして多くの学生さんの「やりたいこと」探しを支援していますが、学生時代は全く夢もやりたいことも見つけられずにいました。就職活動も、今思えば非常にミーハーな理由で動いていました。
- *木村拓哉さんが大好きだったので「木村拓哉に会いたい」という一心でエンタメ業界中心に就活をしていたのです。**結果は軒並み全滅。なんとか受かった一社からキャリアをスタートすることになりました。
この失敗体験があったからこそ、その後高校生のキャリア教育に携わった際に「どうやったら人はやりたいことを見つけられるんだろう」という疑問を強く持つようになりました。その疑問を解消するために、まずは知識を深めようと国家資格キャリアコンサルタントを取得。さらに実践の場として、約8年間新卒向けの人材紹介事業で年間約200人の大学4年生と面談を重ねました。また、大学ごとのニーズに合わせた就活セミナーの登壇も行い、現場での知見を積み重ねていきました。
そんな私の経験を生かしながら、今日は「価値観とは何か」「AIを使ってどう効率的に見つけるか」をお伝えできればと思います。
なぜ「価値観発見」が就活成功の決め手なのか
就活の本質は「内面の共通点」を見つけること
多くの学生さんが就活を始める際、最初に注目するのは給与や勤務地、残業時間といった「外面的な条件」ではないでしょうか。私はこれを「外面での企業選び」と呼んでいます。
外面的な企業選びの典型例:
- 残業時間が少なめのところがいい
- 給与がこれくらいがいい
- 全国転勤がないといい
- この商品知ってる、この会社知ってる
もちろん、就活スタートの段階ではこうした視点から始めても構いません。しかし、この視点だけで就活を続けてしまうと、なかなか良いところに巡り合えなかったり、就活の長期化、満足度の低い結果につながってしまうのです。
私が最も重要だと考えるのは、自分と企業の「内面の共通点」を見つけることです。
自己分析で明確にすべき内面的要素:
- 価値観:何を大切にしているか、どんな時にやりがいを感じるか
- 強み:どんな能力を活かしたいか、得意な行動パターンは何か
- 将来像:どんな姿になりたいか、どう成長していきたいか
企業研究で把握すべき要素:
- 企業の考え方:どういうことを大切にしているか
- 仕事内容で求められる強み:どういうことを強みとして必要としているのか
- 将来展望:今後どんなふうに事業展開していくのか
これらの内面的要素で企業とマッチングすることで、入社後も「ありのままの自分で生き生きと働き」、長期的な成長・定着・活躍につながります。そして、この共通点を面接の場で言語化していくことが、就活成功への鍵となるのです。
企業にも「性格」がある——同じ業界でも価値観は大きく異なる
私が色々な企業様の採用支援をお手伝いする中で強く実感するのは、同じ業界の企業でも「どういったところに価値を置いているか」「どういうことを心がけて事業をしているか」は本当に性格がいろいろと異なるということです。
企業の性格パターンを具体例で説明します:
A企業(革新型): 「社会に革命を起こすぞ」という気概で、常に新しいことにどんどんチャレンジしていく攻めの姿勢が特徴です。
B企業(安定型):
「伝統と品質を追求しましょう」という価値観で、主力製品はそんなに変えずに品質を向上し、伝統を重んじてやっていく安心安定企業です。着実な成長を積み重ねることに価値を置いています。
C企業(貢献型): 「顧客や社員の満足度向上が大切だよ」という考え方で、貢献志向が強くて他者のために何かやりたいというところに価値を置いている企業です。
例えば食品業界を志望する場合も、単に「食品に携わりたい」「食べ物に携わりたい」だけでなく、**「食品に携わっている事業の中で、どんな思いで、どんな価値を世の中に提供している企業がいいのか」**という視点で比較検討することが重要になります。
この内面の共通点が多い企業の方が、ありのままの自分で生き生きと働けて、その後の成長・定着・活躍につながっていくのです。
BaseMeAIを使った価値観発見の実践方法
それでは早速、実際にベースミーAIを使って価値観を探ってみましょう。
Step1:基本プロンプトで過去の経験を掘り起こす
まず、ベースミーAIを開いて、以下の文言を入力してください。
価値観の自己分析をしたい。中学から大学まで、過去の経験に関して、1問1答で3回深掘って
このプロンプトにより、AIが「中学校時代に最も誇りに思う経験は何ですか?それがどのようにあなたに影響を与えましたか?」といった質問を段階的に投げかけてくれます。
返答のニュアンスはその時によって若干異なりますが、最初の文言はこちらを入れていただければと思います。
Step2:3つの時期のエピソードを気楽に回答
重要なポイント:完璧を目指さず、気楽に答えることです。
私の経験を例に出すと、まず中学校のことを聞かれて、「生徒会で新聞作成やレクなど新しいことをやったのが楽しかった」みたいなところで答えました。このぐらい単文で答えても大丈夫です。もっとたくさん答えられる方は詳しく書いていただいてもいいのですが、最初は慣れるという意味でも、簡単に一文とかでも構いません。
エピソード選びに迷った場合の基準:
- 嬉しい気持ちになった経験
- 一週間のうちに多くの時間を割いていた活動
中学・高校で特に思い浮かばないという方は、大学に絞っていただいても大丈夫です。大切なのは3つのエピソードを出すことです。
私の実例:
- 中学:生徒会で新しいことに取り組んだこと
- 高校:吹奏楽部で未経験から副部長を任されたこと
- 大学:英語劇連盟で知らない大学生同士が3ヶ月で一致団結して、1つのものを作り上げたこと
「それがどのようにあなたの価値観やキャリアに影響を与えましたか?」という質問もありますが、これを真面目に答えようと思うと難しいので、難しいなと思うところはスルーしていただいて大丈夫です。
Step3:やりがいとやる気スイッチを発見する
3つのエピソードを出した後に、以下の言葉を入れてみてください。
これらのエピソードから、私のやりがいややる気スイッチは何だと思いますか?
これが、価値観につながる大事なワードになります。
- やりがい:体験のなかでプラスの感情(嬉しい・楽しい)がでたこと
- やる気スイッチ:どういうシチュエーションになると自分がやる気になるのか
これは本当に、日頃私がキャリアカウンセラーとして1時間ぐらいの面談で導き出す内容なのですが、AIだと数分で終わってしまいます。正直、職業が脅かされているなと感じる部分もありますが、良いツールはどんどん使っていってほしいと思います。
Step4:共感する部分をピックアップして言語化を深める
AIが自身のやりがいややる気スイッチについて細かく説明してくれます。大事なのは、**「共感する箇所をメモする」**ことです。
すべての説明文が自分にしっくりくるわけではないので、「このニュアンスいいな」「この言葉は素敵だな」と思うものをメモしましょう。例えば、「協力とチームワーク、確かに共感する」「リーダーシップという言葉は少し共感しないけれども、誰かを支えるとか、責任を持ってやるとかは共感できる」といった具合に、自分の言葉で価値観を言語化していくことが重要です。
これらのワードは、自分の中で言語化が進むためのヒントになりますので、ピックアップしていくといいでしょう。
さらに深掘りするための活用法
ガクチカ作成への応用
やりがいややる気スイッチが出た後に、エピソードをもう少し詳しく整理したい場合は、以下のように質問できます:
大学の経験をうまくガクチカにしたい。価値観が伝わるような構成は?
すると、非常に細かく指示が来ます:
- 冒頭にこの文言を書いてください
- その次にはこういった経験の言葉を書いてください
その通りにエピソードを整理していくと、実際にエントリーシートやBaseMeのプロフィールに書けるような文章にもなっていきます。
企業選びへの活用
さらに、企業との内面共通点を探すために、以下の質問も投げかけてみてください:
どのような社員や雰囲気の会社が合いますか?
私の場合、「みんなで何かする」「作り上げたものが形に見える」ことにやりがいを感じるタイプなので、「協力体制がある会社がいいんじゃないですか」というお勧めをもらったり、「協力して作り上げる」ということで言うと「こういった業界があるんじゃないか」という提案も出てきました。
このように、その時の状況に応じて、いろいろと派生した質問ができます。
バラバラな経験から「共通軸」を見つける重要性
サビカスのキャリア構成理論に基づく自己分析
価値観発見で最も重要なのは、バラバラに見える経験から「共通項」を見つけることです。これは、有名なキャリアの理論家であるサビカスという方が唱えている「キャリア構成理論」に基づく考え方です。
私たちの人生には、小学校での楽しかった出来事・嫌だった出来事、中学校での楽しかった出来事・嫌だった出来事など、数多くの「小さなストーリー」が存在します。大学時代一つを取っても、アルバイト、サークル、学業といろいろとあったのではないでしょうか。
これらを個別に自己分析して答えを出すだけでなく、この「共通項」という矢印で共通点となる意味軸を見つけることがとても大事です。これが「軸」と言われる部分ですね。
共通軸発見の具体例
私の例で説明すると:
- 中学校:生徒会で新しいことやったのが楽しかった
- 高校:吹奏楽部で副部長としてみんなをまとめていくのが楽しかった
- 大学:英語劇連盟で知らない人たちと一致団結して舞台を作るのが嬉しかった
それぞれ異なる活動ですが、3つの経験の中でよく発動していた気持ちや共通点がありました:
- いつも誰かと何かやっている
- 何かを作るというワードがよく挙がっている
これが私の特徴として見えてきた共通軸です。
人それぞれ異なる価値観の軸
これは皆さんそれぞれ違うのではないかと思います:
関心の方向性:
- 人への関心型:他人に興味関心がいく、他人との関わりや協力にやりがいを感じる
- 物への関心型:研究対象やデータ分析など、人というよりは物やデータに興味がある
モチベーションの源泉:
- 目標志向型:何か高い目標をもらえた時に、すごくモチベーションが上がる
- 協働志向型:誰か一緒にやってくれる人がいるからこそ、モチベーションが上がる
共通項・軸の見つけ方: 「この経験の中からもこれを感じてた」「他にもここでも感じてたなぁ」と思うことほど、あなたの軸になってきます。ぜひこのポイントを意識して言語化していただくといいでしょう。
価値観発見が就活全体に与える効果
志望動機と自己PRに一貫性が生まれる
自分の中でこういう軸があることが見えてくると、面接での様々な質問に対して一貫した答えが伝えられるようになります。
面接でよくある深掘り質問:
- 「なぜそう思ったんですか?」
- 「なぜその後頑張ったんですか?」
- 「どんな工夫をしたんですか?」
これらの質問に対して、自分の中で軸があるからこそ納得感のある回答ができるようになります。
決まった正解がない時代の納得感あるキャリア選択
現在は、昔のような高度経済成長期とは違います。先輩の後を真似していれば大量生産でたくさん物を作って稼げるという時代ではありません。
現代の特徴:
- AIがどんどん発達して変化が激しい
- 海外諸国の動きで世界情勢も変わる
- 自然災害でその事業がうまくいかなくなることもある
- 決まった正解がない時代
だからこそ、「私自身はこういうことで喜びを感じる」「こういうふうに行動すれば嬉しい気持ちになるから、こっちの方向に舵を切ろう」という、納得感があるキャリア選択が重要になります。
また、「今自分がモヤモヤしているのは、こういったところが原因なのかな」という理由が言語化しやすくなって、仕事に取り組む上での行動や姿勢が変わっていくというメリットも生まれます。
価値観を就活成功につなげる実践アクション
プロフィールの戦略的活用
価値観が分かってきたら、今後のアクションとしてはプロフィールにそれを反映させてみたり、もうちょっとこういう言い回しの方が私らしさが伝わるかなというものがあれば、ブラッシュアップをぜひしてみてください。
その上で、より自分らしさが見えて、企業様も「この方はうちのカルチャーに合いそうだな」という判断がしやすくなります。
特に**「Me」機能**を積極的に活用することをおすすめします:
「Me」機能活用のポイント:
- 価値観が表れる写真や体験の投稿
- 一言コメントで自分らしさを表現
- 就活を意識しすぎず、自然な個性をアピール
例えば私だったら「みんなで舞台作った写真」をあげて「知らない人たちと一致団結する楽しさを味わいました」みたいなところで一言添えて投稿するとか、本当に就活を意識せずに皆さんの好きなものや見てきてよかったなって思うことを載せるだけで、それが個性になって、その人らしさがわかったりもします。
企業の価値観に実際に触れる
説明会やインターンに積極参加して、実際の企業の価値観に触れることが重要です。実際に行ってみないと、触れてみないと、企業の価値観というのはなかなか見えない部分でもあります。
理念としてホームページ上で掲げているものはあるものの、実際に行ってみたら:
- 「あれ?ホームページ上ではすごく挑戦志向で熱そうな感じだったけど、なんか雰囲気冷たいな」
- 「結構地味そうだなって思ったけど、行ってみたらすごくみんな生き生きしてるな」
このように、企業の価値観は実際に行ってみて、交流してみて、質問してみて分かるところが大きいです。説明会やインターンにぜひ参加していただけたらと思います。
共通点の言語化とアピール方法
企業との共通点を見つけたら、以下のように具体的に言語化します:
共通点言語化の例: 「貴社にはこういった他者貢献志向の姿勢を持った社員さんが多くいらっしゃって、そこに惹かれました。なぜなら、私も舞台制作で、相手のためにこんなふうに行動してきたからです」
このように、企業と自分の共通点を、その後の説明で具体的なエピソードとともに言語化していくことになります。ここをどんどん言語化していけるといいのではないでしょうか。
継続的な成長とスキルアップの方向性
さらなる自己分析の展開
価値観発見は自己分析の一部です。今後は以下の分析も進めていくことをおすすめします:
継続的な自己分析項目:
- 強みの言語化:どんな能力を活かしたいか、得意な行動パターンの明確化
- 将来像の言語化:将来やりたいことが分からない方向けの将来像構築
- 業界・職種理解:具体的な仕事内容や業界動向の把握
まとめ:AIを活用して納得のいくキャリア選択を
いかがだったでしょうか?今日は簡単に価値観についてお伝えさせていただきましたが、AIを活用した価値観発見は、就活における自己分析を劇的に効率化する革新的な手法です。従来1時間かかっていたキャリアカウンセリングの内容を数分で実現し、あなたの「やりがい」や「やる気スイッチ」を明確に言語化できます。
成功のポイント:
- 完璧を求めず気楽に始める:最初は簡単な回答でも十分
- 共感する部分を重視する:すべてが当てはまらなくても、しっくりくる部分をピックアップ
- バラバラな経験から共通軸を見つける:異なる経験の根底にある共通テーマを発見
- 発見した価値観を具体的行動に移す:プロフィール更新、企業研究、面接準備に活用
自分らしさを発見できることを応援しております!