自己PRの書き方を完全攻略!就活で使えるポイント徹底解説

就活のなかで特に重要とも言える自己PR。しかし、これまで自己PRを書いたことがなく、その書き方に戸惑う就活生が多いのが現状です。自己PRの書き方を誤ってしまうと、企業へ自分のことをうまく伝えられず、最悪の場合、企業とのミスマッチを引き起こしてしまう可能性があります。

今回は、自己PRの書き方を、基礎から差がつくポイントまで丁寧に解説していきます。自己PRの書き方をマスターして、「自分らしさ」を表現できるようになりましょう!

自己PRの書き方を学ぶ前に知っておこう

自己PRの書き方を知る前に、まず自己PRの基礎についておさらいしましょう。自己PRとは何なのかをしっかりと理解することで、意図にあった文章を作成できるようになります。

自己PRとは

就活での自己PRとは、自分の強みや特徴を企業にアピールするメッセージのことです。簡単に言うと、「自分はこんなに魅力的な人材です!」と伝えるための紹介文です。企業は単に優秀な人材ではなく、自社で活躍できる人材を採用したいと考えています。そのため、企業は自己PRを通して、自社で活躍できる可能性があるのかを見極めています。つまり、就活生は企業側の自己PRを意図を理解した上で、自分のアピールをする必要があります。

自己PRは自己分析×企業研究

自己PRを書く前におこなうべきことは、自己分析と企業研究の2つです。

自己分析は自分を知ることです。これまでの経験や価値観を振り返り、自分がどんな人間かを自分自身でよく理解することが重要です。自己分析のやり方はさまざまあり、便利なフレームワークも存在します。必要に応じて活用して、自分という人間の理解を深めていきましょう。

企業研究とは、企業を知ることです。企業の公式ホームページを閲覧したり、OB・OG訪問をして企業についての情報を集めましょう。企業の特徴や求める人材の傾向を掴むことで、自己PRを書くときのヒントを得ることができます。

自己分析と企業研究をおこなった上で自己PRを考えることで、ただ自分の強みをアピールするだけではなく、企業が求める人物像に合った強みを伝えられるようになります。

似ているものとの区別をしよう

就活の現場では、自己PRの他にも、自分を表現するための項目が複数あり、就活生の多くはその区別に苦戦することが多いようです。その違いを理解し、企業が求めているものは何なのかを熟知した上で表現ができるようになりましょう。

自己紹介との違い

自己紹介は「自分の基本情報を伝えるもの」、自己PRは「自分の強みをアピールするもの」です。

自己紹介は主に、自分の簡単な情報を伝えるためにおこなわれ、その後に続く具体的な内容をスムーズに理解するための入り口として使われます。そのため深いアピールはせず、基本的な情報を伝えるだけに留めておくのが通例です。

一方の自己PRでは、自分の強みを具体的なエピソードを交えながら伝えましょう。企業の方が求めている人物像を理解した上で自分をアピールすることが求められます。

自己紹介自己PR
目的自分の基本情報を伝える自分の強みをアピールする
内容名前・大学・学部・簡単な経歴強み・エピソード・企業での活かし方
程度シンプル具体的なエピソードが必須

長所との違い

長所と自己PRはどちらも「自分の良いところ」を伝えるものですが、目的や伝え方に違いがあります。

長所は「自分の性格や能力の中で、良いと思うポイントをシンプルに伝えるもの」です。長所は就活に限らず、いつでも使われるものなので、就活の内容に沿わないことも長所になり得ます。

反対に自己PRでは、企業で活かせる強みをアピールすることが求められます。強みを証明するためには具体的なエピソードを用いて、説得力の高い内容を伝えることが重要です。

長所自己PR
目的自分の良いポイントを伝える企業で活かせる強みをアピールする
内容性格や能力の良い面強みを証明するエピソード・活かし方
程度シンプル具体的なエピソードが必須

自己PRの書き方を学ぼう

自己PRの基本を押さえたところで、自己PRの書き方を学んでいきましょう。同じ内容でも、構成や工夫ひとつで印象は大きく変わってきます。自分の良さを最大限に企業に伝えるためにも、書き方のポイントを確認していきましょう。

自己PRを書く際の基本構成

自己PRを書く上で大切なことは、論理展開=構成です。洗練された構成で自己PRを書くことで、自分のアピールしたい内容が企業担当者に伝わりやすくなります。ここでは、基本的な構成を紹介します。

結論:自分の強みは何か?

まず、自分の強みを一文で書きましょう。「○○する力」など、簡潔にわかりやすい表現で書くことが重要です。結論をはじめに記載することで、企業担当者が話のポイントを理解しやすくなります。

結論を裏付けるエピソード:強みが発揮されたのは?

次に、結論に説得力を持たせられるよう、その強みがあると言える理由を説明するための具体的なエピソードを加えましょう。このとき注意したいのは、自分が主体的に行動したエピソードかどうかという点です。自己PRはあくまで、あなたのアピールポイントを伝える場です。そのため、「チームが頑張った」というエピソードよりも「自分がどうしたか」を伝えられる方が結論を補強するにはふさわしいです。できるだけ主語が「自分」になるようなエピソードを選択できると良いでしょう。

具体的な要素:どんな行動をして、どんな結果だったのか?

具体的なエピソードのあとは、自分がどのように行動し、その結果どんな成果に繋がったのかを示しましょう。行動しただけではなく、結果まで書くことがポイントです。できれば、数値を入れられると、より説得力の高い自己PR文に仕上がります。

再結論:仕事でどう生かすか?

最後に、これまで述べてきた自分の強みを、入社後の仕事でどのように生かすのかを書きます。企業担当者は、自己PRを通じて「この人は会社で活躍できる人材かどうか」を判断しようとしています。そのため、この再結論のパートは特に重要です。

企業が求める能力と結びつけながら記載できると、より説得力の高い文章になります。自己PRを書く前に実施した企業研究の内容がここで活きてくるのです。

自己PRの書き方で重要なのは「あたま」と「おしり」

自己PRの書き方をレクチャーする上で特に力を入れたいのは「書き出し=あたま」と「締め=おしり」の部分です。どれだけ素敵なエピソードがあっても、書き出しと締めが弱いと十分な評価に繋がらない可能性があります。最大限のアピールをするためにも、細部にまで意識をしましょう。

書き出しの例文

書き出しは自己PR文の掴みです。無数の自己PR文に目を通す企業担当者の興味を引くためには、書き出しに工夫が必要です。例を2つ紹介します。

例 ① 数値を使う

「私は目標達成に向けて努力を継続する力があります。TOEICのスコアを600点から800点に上げるため、1年間で毎日2時間の学習を継続しました。その結果、目標を達成し、自分の努力が結果につながることを実感しました。・・・」

具体的な数値と共に自分の強みを書くことで、明確な強みとして認識されやすくなります。

例 ② 印象に残るフレーズを使う

「私の強みは、まるで『潤滑油』のような存在になれることです。私はチームの中で円滑なコミュニケーションを生み出し、協力しながら目標達成に導くことが得意です。・・・」

「潤滑油」というイメージしやすい比喩で印象を強めています。チーム内での円滑なコミュニケーションを生み出していたことをより想像しやすくするサポートの役割があります。

締めの例文

書き出しと同様、自己PR文の締めの文章にも意識を巡らせましょう。自分の強みをしっかり印象付ける最後の一押しになる部分です。

例 企業のビジョン・価値観と結びつける

「・・・この経験を通じて、チームワークの大切さと目標に向かって努力する力を身につけました。貴社の『○○』というビジョンに共感し、私の強みを活かして貢献したいと考えています。」

企業研究をした上で自己PR文の作成をしていることが伝わってくるため、志望度の高さを示すことができます。自分の強みを単なる強みとして認識するのではなく、企業のビジョンとリンクさせて考えられていることを伝えられると良いでしょう。

自己PRを書く上で気を付けるべきこと

ここまで自己PRの書き方のポイントを学んできました。この章では、就活生の多くが見落としやすい自己PRを書く際に気を配るべき箇所を確認し、より良い自己PR文を目指しましょう。

具体的な内容で自分を伝えよう

自己PRを書く上で大事なことはその具体性です。「私は頑張り屋です」「リーダーシップがあります」など、よくある言葉だけでは、あなたの良さはうまく伝わりません。自分の経験をもとに、できるだけ具体的に説明することが重要です。

目安は、自己PR文を読んだ方がそのエピソードの状況を想像できることです。「いつ、どこで、何を、どうやって、どうなったか」の項目を網羅するように書くと、あなたのアピールしたいことの背景情報が伝わりやすくなります。

誰かが読んでくれるものだという意識を大切にしよう

自己PR文は、書いて提出することがゴールではありません。あなたが書いた自己PRを読んでくれる企業の担当者がいます。企業担当の方が読みやすく、理解しやすいような文章で書くための心遣いが必要です。読みやすい文章にするためには、誤字脱字をしないことはもちろんのこと、一文を長くしすぎないこと、難しい言葉を使いすぎないこと、改行や句読点を使って視覚的に見やすくすることに気を付けましょう。

面接に繋がるエピソードを書こう

自己PRを提出したあとには、面接が待っています。企業担当者は自己PRを読んで、「この人の話をもっと聞きたい」という就活生を面接に呼びます。つまり、自己PRは面接への入口です。面接で詳しく聞かれることを前提に考えると、自己PRという限られた文字数の中で取り上げたいエピソードを決めやすくなります。

自己PRの書き方の例文5選

自己PRの書き方のポイントを押さえたところで、書き方の例をご紹介します。自己PR文の文章はあくまで一例です。大切なのは、自分の言葉で自分を表現することです。ここで紹介した例文を、構成や言葉選びに着目して読んで、あなたが自己PRを書く際の参考事例として活用してみてください。

例 ①

私の強みは、相手の話をよく聞き、信頼関係を築く「傾聴力」です。

大学2年時、家庭教師のアルバイトで、まったく勉強意欲のない中学生を担当しました。初回の授業では、ほとんど話さず目も合わせてくれない状態でした。

私は「まずは信頼してもらおう」と考え、勉強以外の話からはじめ、好きなアニメやゲームの話を毎回少しずつ引き出すようにしました。すると徐々に会話が増え、2か月後には「今日は英語の勉強もしたい」と言ってくれるようになりました。

最終的にその生徒は、志望していた高校に合格することができ、「先生が話を聞いてくれたから頑張れた」と言ってくれました。

このように、相手の立場に立って話を聞く力を、貴社の営業や接客業務においても活かし、お客様のニーズを丁寧に引き出して信頼される存在を目指します。

例 ②

考える前にまず動いてみる行動力が私の強みです。

大学ではゼミでの研究テーマとして「地域活性化」を選びました。テーマの理解を深めるため、実際に地方のNPOにアポを取り、週末にボランティアとして3ヶ月間参加しました。

現地では、地元のお祭りのSNS広報を提案し、Instagram運用を任されました。フォロワー数は1ヶ月で2倍に増加し、実際の来場者数も前年比120%となりました。

「やってみないとわからない」という姿勢が、結果を生み出すことを実感しました。この行動力を、御社の新しい企画提案や現場でのPDCAサイクルでも活かしていきたいと考えています。

例 ③

私の強みは協調性です。周りと協力しながら成果を出す能力があります。

大学のフットサルサークルでは、実力差によるトラブルが多発していました。私はキャプテンとして、全員が楽しく参加できるよう、実力別に練習日を分ける提案をしました。

また、ミーティングを月に1度設けて意見交換の場をつくったことで、チーム内の雰囲気も良くなり、大会では過去最高の成績を残せました。

誰かの意見を聞いて取り入れる姿勢や、対話を大切にする姿勢は、チームで仕事を進める場面でも必ず役立つと考えています。

例 ④

私の強みは、変化を受け入れ柔軟に対応できることです。

大学時代、飲食店でのアルバイト中、急なシステム変更により、注文の受け方がタブレットに変わりました。最初は戸惑うスタッフも多く、お客様対応にも時間がかかっていました。

私はマニュアルを自作し、他のスタッフにも使い方を教える研修を自発的に行いました。1週間後には業務の流れが安定し、店長から感謝の言葉をいただきました。

このように、変化に対して前向きに取り組む姿勢は、企業でも新しいツール導入や環境の変化に対応するうえで活かせると考えています。

例 ⑤

私は、データや状況を客観的に分析する力に長けています。

大学では統計学を専攻し、課題研究で「飲食店のレビュー分析」をテーマにしました。レビューの内容を自然言語処理で分類し、満足度と売上の相関性をデータで示すことに成功しました。

また、他店との比較分析も行い、何が満足度に影響しているのかを視覚化したことで、教授から「実務でも応用できる内容だ」と評価されました。

この分析力を、業務改善や顧客分析など、数字を元に考える仕事に役立てたいと思っています。

自己PRが思いつかないときのAI活用法

自己PRを書こうと思っても、「自分はアピールできるほど目立ったスキルはない・・・」「特段すごい経歴や秀でた才能はない・・・」と悩む就活生は少なくありません。しかしながら、自分が思っている以上に、企業にアピールできるポイントはたくさんあります。

アピールできることが上手に見つけることができず、自己PRの書き方に困っている場合は、ぜひAIのチカラに頼ってみましょう。その一つの方法として、BaseMe AIの活用がおすすめです。

BaseMe AIは、BaseMeに登録しているプロフィールをもとに、客観的に就活のサポートをしてくれるサービスです。自己PR文を書きたい場合でも、BaseMe AIの活用は有効です。

たとえば「自己PR文を300文字でつくって」とBaseMe AIに送信してみましょう。すると、数秒のうちに自分用にカスタマイズされた自己PR文を提案してくれます。自分では今まで認識できていなかったアピールポイントが見つかるかもしれません。

BaseMe AIを使ってみたい場合はこちらから

差がつく!自己PRの書き方の+α

自己PR文の書き方の基本を学んできましたが、最後に多くの就活生の自己PRと一歩差をつけるためのポイントをご紹介します。企業担当者は一日に同じような自己PRに何枚も目を通します。そんな中でも印象に残りやすい自己PRを作成できるよう、ちょっとした工夫をしてみましょう。

記載欄に対して8~9割の文章量を心がけよう

自己PRを書く欄に限りがある場合、記入欄の8〜9割の文章量に収まるよう心がけましょう。自己PR文はたくさん書くことがよいというわけではありません。読みやすく理解しやすい文章でなければ、チェックをする企業の担当者の方は気持ちよく文章を読み進めることができません。

自己PR文を作成する前に、記入欄の大きさを確認しましょう。指定の範囲に収まる文量でまとめる力も求められています。

自由形式ならタイトルやイラストで差別化も

稀に、自己PRを記載する枠が自由形式の場合があります。自由形式の場合、文章のみならず、タイトルやイラストをつけて、自由に自分を表現することが可能です。自分をアピールしたい内容がより伝わりやすいものを選択して記載してみるのもひとつの方法です。

その際、自分をアピールするためのサポートになっていないものや、面接を見据えた内容になっていないものは好まれません。自己PR文の基本を押さえた上での工夫の仕方だという認識を忘れないことが重要です。

まとめ

自己PRの書き方は基本を押さえることができたら、実はシンプルで簡単なものだということが理解できたと思います。自己PRの文章は企業の担当の方が自分のために読んでくれる文章なんだ、ということを常に念頭に入れておきましょう。自分の話をよく知ってくれようとする企業担当者がいることを思うと、誤字脱字に気を付けたり、読みやすい言葉づかいを選んだりという基本を押さえることができるようになるはずです。

自己PR文は誰かと比べるものではなく、あなたと企業担当者との間でおこなわれる対話です。限られたスペースで、自分をわかりやすく伝えるために必要なことは自己PRの文章の構成と興味をより惹きつけるための工夫です。「結論、エピソード、具体的な要素、再結論」という順番で自分の強みを文章化しましょう。また自由形式であれば、ただ文章化するだけではなく、タイトルやイラストを使ってさらに自分らしさを表現できます。

自己PRの書き方に正解はありません。今回お届けしたポイントを押さえた上で、自分らしさを表したオリジナルの自己PR文を作成して、あなたらしいキャリアの第一歩を踏み出してください!