OB訪問のお礼メールはなぜ重要?
OB訪問後のお礼メールは、単なる感謝の意を伝えるだけでなく、相手に好印象を残し、今後の関係性を築くための大切なステップです。社会人としての基本的なマナーを示すとともに、訪問の内容を振り返り、改めて学びを整理する機会にもなります。しっかりとしたお礼メールを送ることで、「礼儀正しい」「意欲的」と評価される可能性が高まり、場合によっては今後の面接やインターンにおいてプラスに働くこともあります。本記事では、そんな「OB訪問お礼メール」の基本的な書き方から、より印象に残るための工夫ポイントまで詳しく解説していきます。
OB訪問お礼メールの基本マナー
送るタイミング
お礼メールはなるべく早く送ることが大切です。次のポイントを守りましょう。
- 訪問後24時間以内に送る
- 平日の日中(9時〜18時)に送信するとよい
- 休日や夜遅くの場合:翌営業日に送るのが適切
迅速にメールを送ることで、相手に「きちんとした対応ができる人」という印象を与えられます。また、記憶が新しいうちに送ることで、より効果的なメッセージとなります。
メールの構成とポイント
お礼メールは、簡潔でありながら具体性のある内容にすることが重要です。以下の構成を意識して書きましょう。構成説明の最後に、メールの例文を載せています。ポイントを参考にして自分なりに工夫しながら、メールを作成してください。
① 件名・挨拶
- 件名:「OB訪問のお礼(〇〇大学・氏名)」など、簡潔かつ明確に記載する
- 宛名:会社名、部署名、相手の氏名を正式な書き方で記載する
- 挨拶:「お世話になっております。」などの簡単な挨拶を冒頭で述べる
②お礼の言葉
- まずは訪問の機会を設けてくださったことへの感謝を伝える
- 定型文にならないよう、相手に合わせた言葉を選ぶ
- 形式的にならず、心のこもった表現を心がける
- 「貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。」だけでなく、相手の配慮に具体的に触れる
③学びや気づき
- 訪問中に得た気づきや印象に残った話題を具体的に述べる
- 「何が印象的だったのか」「どのように考えが変わったか」を意識して書く
④今後の抱負や意欲
- 訪問を通じて得た知識や考えを、今後どのように活かしたいかを明確にする
- 企業や業界に対する関心が深まったことを伝える
- 「興味が湧きました」だけではなく、具体的な行動や学びへの意欲を示す
⑤再度のお礼と今後のお願い
- 訪問の機会を作ってくれたことへの感謝を改めて伝える
- 無理のない範囲で、今後の連絡や相談の可能性を示す(例:「またご相談させていただけますと幸いです。」)
⑥署名
- 送信者が誰なのか一目でわかるようにする
- 大学・学部・氏名・連絡先を明記する
メール例文
丸数字は上記構成説明と対応しています。
①
件名:OB訪問の御礼(〇〇大学・氏名)
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。本日OB訪問をさせていただきました、〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
②
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。直接お話を伺うことで、貴社の業務内容や社風についてより深く理解することができ、大変勉強になりました。
③
特に、〇〇様が仰っていた「〇〇(具体的な話題)」についてのご説明は、私にとって非常に新鮮で、大変興味深かったです。実際に業務でどのように〇〇を活用されているのか具体的な事例を伺い、貴社の仕事に対する理解が一層深まりました。
④
本日学んだことを活かし、今後の就職活動に積極的に取り組んでいきたいと考えております。また、貴社の〇〇という点に大変魅力を感じ、より一層興味を持ちました。
⑤
改めまして、本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。また機会がございましたら、ご相談させていただけますと幸いです。引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
⑥
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〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科
氏名:〇〇 〇〇
メールアドレス:〇〇〇@〇〇.com
電話番号:080-xxxx-xxxx
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【職種別お礼メール例文集】+αのワンポイント解説
職種ごとのお礼メールは、相手に合わせた具体的な学びや気づきを盛り込むことで、より説得力のある内容になります。メール構成の③④の箇所に、自分の言葉で書くことで、誠意が伝わりやすくなりますので、ぜひ参考にしてください!
営業職
営業職では、顧客のニーズを的確に把握し、信頼関係を築くことが不可欠です。顧客の課題を理解し、最適な提案をすることが求められます。そのため、ヒアリング能力や関係構築のスキルに関する学びや気づきを意識した感想が盛り込めると、営業職に対する誠意がより伝わりやすくなります。
例:「〇〇の事例を通して、お客様とのコミュニケーションの大切さを学びました。特に、相手のニーズを引き出すヒアリングの技術や、信頼関係を構築するための工夫が重要であることを改めて実感しました。」
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職では、市場調査やデータ分析を基にした戦略立案が重要な役割を果たします。企業の施策がどのように消費者に影響を与えるのかを理解することは、マーケティングの実務において欠かせません。そのため、お礼メールでは、分析手法やプロモーション戦略について学んだことを伝え、実際の業務に関心を持っていることを示しましょう。
例:「市場分析の重要性や、消費者のインサイトを活かしたプロモーション戦略について学ぶことができ、大変勉強になりました。特に、〇〇の施策についてのお話が印象的で、マーケティングの奥深さを改めて実感しました。」
技術職(エンジニア)
技術職では、最新技術の活用とチーム開発の手法を理解することが重要です。企業ごとの開発プロセスや、技術選定の基準を知ることで、エンジニアリングの現場で求められるスキルを深く理解できます。お礼メールでは、技術やプロジェクトの進め方について学びを得たことを伝えましょう。
例:「開発プロセスの流れや、技術選定のポイントについて学ぶことができ、大変有意義な時間でした。特に、〇〇の技術がどのように活用されているのかを知ることができ、実務への理解が深まりました。」
クリエイティブ職
クリエイティブ職では、企画の発想力とターゲットに響く表現力が求められます。デザインやコンテンツ制作では、単なるビジュアルの美しさだけでなく、ターゲットの心理に響く表現を考えることが重要です。お礼メールでは、制作のプロセスやコンセプト設計について学んだことを具体的に伝えると良いでしょう。
例:「企画から制作までの流れや、ターゲットに響く表現を考える重要性について学ぶことができました。特に、〇〇の事例を通じて、ユーザー目線で想像することの大切さを改めて実感しました。」
事務・総務職
事務・総務職は、企業の円滑な運営を支える重要な役割を担います。正確な事務処理や業務の効率化だけでなく、社内のコミュニケーションをスムーズにする工夫が求められます。お礼メールでは、組織全体を支える業務の重要性について学んだことを伝えましょう。
例:「組織運営を支える業務の大切さや、正確性が求められる点について学ぶことができました。特に、〇〇の業務フローの工夫が印象的で、より効率的な働き方について考えるきっかけとなりました。」
人事・労務職
人事・労務職では、採用や社員の成長支援を通じて企業の発展に貢献します。適切な人材配置や職場環境の整備は、企業文化の形成にも大きく関わります。お礼メールでは、採用基準や教育制度に関する学びを伝えましょう。
例:「採用活動の裏側や、社員の成長支援の大切さについて学ぶことができました。特に、〇〇のプロセスに関するお話が印象的で、人材の適正配置や企業文化の重要性を改めて認識しました。」
経理・財務職
経理・財務職では、企業の財務状況を管理し、経営戦略に貢献することが求められます。単なる会計処理にとどまらず、財務分析を通じた意思決定への関与が重要です。お礼メールでは、財務戦略の視点を学んだことを伝えましょう。
例:「経営戦略における財務の役割について理解を深めることができました。特に、〇〇の意思決定プロセスに関するお話が印象的で、数字を扱う責任感の重要性を実感しました。」
コンサルティング職
コンサルティング職では、クライアントの課題を分析し、論理的なアプローチで解決策を導き出す力が求められます。実際のプロジェクト事例を学ぶことで、課題解決のプロセスを具体的に理解できます。お礼メールでは、論理的思考力の向上や、フレームワークの活用について学んだことを伝えましょう。
例:「クライアントの課題解決における論理的思考の重要性を学ぶことができました。特に、〇〇のフレームワークを活用した問題解決のアプローチが印象的で、実践的な視点を得ることができました。」
販売・サービス職
販売・サービス職では、顧客対応の質がリピーター獲得や企業のブランド価値向上に直結します。顧客満足度を高めるための工夫や、接客の改善点を学ぶことが重要です。お礼メールでは、実際の接客事例を通じて学びを得たことを伝えましょう。
例:「顧客対応の工夫や、リピーターを増やすための施策について学ぶことができました。特に、〇〇の実例を通じて、接客の奥深さを実感し、今後さらに理解を深めたいと感じました。」
教育・研究職
教育・研究職では、専門知識の探究だけでなく、それを社会に応用する力も求められます。研究成果をどのように実践に活かすかが、教育・研究職の価値を高めるポイントとなります。お礼メールでは、研究成果の応用や教育の工夫について学んだことを伝えましょう。
例:「専門知識の探究だけでなく、それを社会に還元する重要性について学ぶことができました。特に、〇〇の研究成果を活かした実践例が印象的で、今後の学びに生かしていきたいと感じました。」
【Q&A】OB訪問お礼メールの疑問解決
Q1. お礼メールを送るのが遅れた場合はどうする?
A:できるだけ早く送り、遅れた理由を簡潔に伝えましょう。遅れてしまったことを詫びる一方で、感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。また、もし遅れた理由がやむを得ないものであれば、簡潔に触れておくと誠実さが伝わります。
例:「ご連絡が遅くなり申し訳ありません。本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
大学の研究が続いており、ご連絡が遅くなってしまいました。お忙しい中、お時間を割いていただき、心より感謝申し上げます。」
Q2. お礼メールに返信がきた時の対応は?
A:返信をいただいた場合は、簡潔かつ丁寧にお礼を伝えましょう。相手が忙しいことを考慮し、短くとも感謝の気持ちを伝えるのがポイントです。また、相手がアドバイスや励ましの言葉をくれた場合には、それに対する感謝の一言を加えると好印象です。
例:「お返事をいただきありがとうございます。貴重なお話を伺えて、大変勉強になりました。
今後の就職活動に活かしてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
Q3. OB訪問後、お礼メールを送ったが返事が来ない場合は?
A:返信がなくても気にせず、次のステップに進みましょう。OBの方は多忙であるため、返信がないことも珍しくありません。メールを送った時点で感謝の気持ちは伝わっているため、無理に再度連絡する必要はありません。ただし、以下の場合は追加の連絡を検討してもよいでしょう。
【今後のイベントや説明会の案内を知りたい場合】
例:「先日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。〇〇社の今後の説明会やイベントについて情報をお持ちでしたら、ご教示いただけますと幸いです。」
【OB訪問での話題について追加の質問がある場合】
例:「先日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。〇〇社の今後の説明会やイベントについて情報をお持ちでしたら、ご教示いただけますと幸いです。」
このような場合は、丁寧に再度連絡を取り、失礼のないようにしましょう。連絡をする際は、短く簡潔に要件を伝え、相手の負担にならないよう配慮することが大切です。
Q4. 食事代を支払ってもらった場合の適切なお礼の伝え方は?
A:OB訪問で食事をご馳走になった場合は、しっかりとお礼を伝えることが大切です。相手が好意で支払ってくれたことに対して、感謝の気持ちを丁寧に表現しましょう。
例:「本日はお食事までご馳走になり、誠にありがとうございました。次回お会いする機会がありましたら、ぜひお礼をさせてください。」
【まとめ】心を込めたお礼メールで好印象を残そう
OB訪問後に送るお礼メールは、単なるマナーではなく、今後のつながりを築く大切な機会です。適切なお礼メールを送ることで、OBの方との関係をより良いものにし、今後のキャリアにもプラスに働く可能性があります。以下のポイントを意識し、印象に残るOB訪問のお礼メールを送りましょう。
OB訪問お礼メールチェックポイント
キーポイント | 説明 |
OB訪問のお礼メールはなるべく当日中に送る | 迅速に送ることで誠意が伝わり、好印象につながります |
遅れてしまった場合は、誠意をもって謝罪の言葉を添える | 「ご連絡が遅くなり申し訳ありません」と一言添えることで、失礼にならないよう配慮しましょう |
OB訪問で得た具体的な学びや気づきを伝える | 「〇〇についてのお話が大変参考になりました」と、相手に合わせた具体的なエピソードを含めることで、感謝の気持ちが伝わります |
返信があった場合は、簡潔かつ丁寧に対応する | 必要以上に長くならないよう気をつけつつ、感謝の言葉を忘れずに |
返事がなくても気にせず、必要に応じてフォローアップを検討する | OBの方は忙しいため、返信がなくても問題ありませんが、追加の質問やイベント情報を伺いたい場合は、再度丁寧に連絡するのも一つの方法です |
特別なご厚意(食事など)にはしっかり感謝を伝える | 例えば、「お食事をご馳走になり、誠にありがとうございました」と記載すると、相手への敬意がより伝わり、丁寧な印象を与えます |
OB訪問のお礼メールは、相手に対する感謝の気持ちを伝えるとともに、今後の関係構築にもつながる大切なものです。しっかりとしたお礼の言葉を伝え、相手に好印象を与えましょう!